注)紅蓮LOVEな方、紅蓮むっちゃ好きやねん!な方、ご気分を悪くする前にUターンをすることをおすすめします。そんなこと構わないわ!という方のみどうぞ。



★ネタ1★もし、真紅の空〜にて紅蓮の記憶が戻らなかったら?

・・・・・な〜んていう設定のお話をふと考えたわけですよ。一度は考えてみたくなるものです。
あの巻はもう痛いの一言に尽きる話で、私としてはとても美味しいお話でした。(ヲイッ!)主人公が崖っぷちに立たされるようなお話って物凄く素敵☆と思うんですよ。
あ〜、初っ端からキャラがぶっ飛んでますが気にしないでやってください。
で、話を戻します。なので、真紅の(略)巻を捏造しまくって昌浩がひたすら可哀想な立場になるように追い詰めてみようと・・・・・まぁ、どうしようもないネタですねぇ。

まぁ、このネタを書くにあたっての伏線。
原作では成親が太陰に連れてこられますよね?つまり、そんな突飛かつ素晴らしい考えを太陰達は思いつかずに、成親はひたすら歩いて昌浩達のもとに合流したら・・・と。
成親兄が到着するまでまた日にちが延びます。そうなると昌浩はその伸びた何日間も精神的にしんどいままです。ずっと神経を張り詰めています。あれって、成親兄がいて初めて昌浩が張り詰めていた気を緩めたんですよね?
で、成親兄が到着するまでの間に昌浩はかなり神経をすり減らしています。張り詰めている緊張の糸は繊維一本で繋がっています。
この延長された期間の間に不眠症にでもなってもらいましょう。(テキトーだな;;)まぁ、元々不眠症の気はあったようですが(だって眠りが浅いんでしたよね?)、昌浩はとうとう眠れなくなります。でも、(形だけでも)寝ていないと周りの神将達は心配しますから、目だけは閉じています。でも起きている。
一晩中考え事に耽入ります。考え事とはもちろん紅蓮のこと。考えないように努めていても浮かんでくるのは、記憶を失う前の紅蓮やもっくんのことや今の騰蛇のこと。(愛されてるなぁ)
紅蓮やもっくんのことを思い出せば切ないし、今の騰蛇のことを思い出せば悲しいし・・・・・と本当に地獄だなをい。
でも、健気な昌浩少年。自分の意思で紅蓮を殺す決意をしたし、自分の我侭で自分(昌浩)の記憶を持っていない騰蛇の存続を願ったんだからと、ひたすら自分に言い聞かせます。これが自分の我侭を通した罰であり代償なのだと。
そんなことを一晩中エンドレスに考えるようになってしまったんですから、精神的疲労が溜まる速度だって急激に加速します。折角ここ最近取り戻してきた食欲も、段々とまた減り始めます。
そのことに気がついた神将達は慌てます。どうしたんだ、風邪でもひいたのかと心配します。もちろん、昌浩は「何でもない、大丈夫だから!」と全然大丈夫そうに見えないけど、頑として言い張ります。睡眠は全く取れていない、そして一晩中精神苦痛を味わうの二重苦。さらに食欲の減退と、昌浩は段々元気がなくなっていきます。その間も無理に空元気を装っているので、神将達には余計痛々しく見えます。
そしてある日追い討ちを掛けるかのような、昌浩にとっては正に悲惨な事件が起こります。

以降、ミニ小説でお送りします。















「・・・・・ごちそうさま・・・・・・・」

「ん?昌浩、もういいのか?」


かなりの時間をかけて食べていたにも関わらず、膳に盛られていた食事は半分も減っていない。
今日はまだ良い方だ、昨日なんか二・三口ほど箸を運んだだけで後は全く食事に手をつけることは無かった。
それでも十分な食事の量とは言えず、回復の方向にじりじりと向かっていた昌浩の体調は、ここ数日で振り出しに戻っていた。


「うん、これ以上は胃に入らないみたい・・・・・・」

「無理に食べる必要は無い。かえって体調を崩しかねないからな」


それまで傍で控えていた勾陳は、完食されない食事に内心溜息を落とす。
ここ最近の昌浩の食欲は優れない。本人も何とかして食べようと頑張っているようであるが、無理に詰め込むと後で食べたものを全部戻してしまうのだ。それを知った後は神将達も昌浩自身も無理に食べることはさせなくなった。
初めの頃こそまた体調を崩してしまったのでは・・・・?と思っていた神将達であったが、昌浩の様子を見るからにどうもそうではないらしいと判断。では何が原因なのだろうか?と突き詰めていくと、どうやらそれは精神的負担からくる食欲の衰退だと判明した。
体調が悪いなどの理由であれば神将達はいくらでも手の出しようがあったのだが、それが昌浩本人の心が問題となってくるとどうしようもなかった。


「でも、折角太陰達が食材を集めてきて作ってくれた料理なのに・・・・・・」

「そ、そんなこと昌浩は気にしなくていいわよ!ほらっ、神将の能力って色々と便利じゃない?木の実を集めるにしたって、動物をしとめるにしたってそんなに苦労してるってわけでもないんだから!!」

「うん、そっか・・・・・ありがとう」


昌浩が気負わないように懸命に弁解する太陰。
そんな太陰を見て、昌浩はふっとその頬を緩ませて微笑む。


「(うっ;;)だ、だから昌浩は少しでも元気になるように、いーっぱい休息をとりなさいよ?」

「うん。用意してくれる食事を全部食べれるくらいには元気にならないとね」

「(あっ、う〜)・・・・・・・・」

「太陰・・・・・・・」


必死に言い募る太陰であったが、如何せん墓穴を掘っているようにしかみえない。
太陰の隣で玄武が呆れたような溜息を吐いている。


「・・・・太陰の言っていることは俺達全員が思っていることだ。成親がここに到着するまでまだ時間もある。焦らずにゆっくりと療養すればいい」


普段は口数の少ない六合も、珍しく饒舌に話す。

そんな風に気遣いを見せる神将達に、昌浩はにこりと微笑んだ。


「っ!わ、私飲み水をくんでくるわ!玄武もっ、一緒に来て!!」

「は?何で我まで・・・うわっ?!」


無理をして笑いかける昌浩に耐え切れなくなった太陰は、それらしい口実をつけて外へと出て行く。その際に玄武が引き摺られていくのはご愛嬌と言ったところか。

そんな彼らを呆れを含んだ視線で見送った勾陳は、やれやれと息を吐くと昌浩の前に置いてあった膳を持って立ち上がる。


「さて、私はこれを片付けてくるとしよう。腹が膨れれば自然と眠気も襲ってくるはずだ、少し横になっているといい」

「うん、そうだね・・・・・」


こくりと頷く昌浩を見た勾陳は、さっさと手にある膳を片付けてくることにした。
そのまま出て行こうとした勾陳は、しかし視界に入ってきた白を見て足を止めざるおえなかった。
そんな勾陳の変化に気がついた昌浩はその視線の先を辿り、それが何であるのかを理解して硬直した。


「と・・・・うだ・・・・・・」

「―――何故食事を摂らない?貴様は死にたいのか?」

「なっ、ちがっ!」

「騰蛇っ!」


夕焼け色の瞳を剣呑に眇めながら、物の怪の姿をした神将は凍てついた視線をもろに浴びせつつ辛辣に言葉を紡ぐ。
咄嗟に反論しようとした昌浩は、しかし刃の煌きにもにた視線とかち合うと続きの言葉を呑み込んだ。
そんな昌浩の変わりに、勾陳が鋭く物の怪の姿をした神将の名を呼んだ。
が、物の怪こと騰蛇はそんなことを気にすることなく、目の前の子どもに蔑視を投げつける。


「生きる気力も無いやつを生かすために奪われた命は哀れだな」

「あっ・・・・」

「目障りだ。そんな死に面を晒して・・・・」

「騰蛇っ!!!」


憎々しげに棘のある言葉を、騰蛇は容赦無く昌浩に浴びせる。
そんな騰蛇の言葉に、昌浩はただでさえ血の気の無い顔を更に蒼白とさせる。


「・・・お、おれ・・・・・」

「精気を持たぬものに生きる価値はない」

「っ!!!」

「いい加減にしろ、騰蛇!!」

「いい加減にするのはお前達の方だろう、勾。何故そんな世捨て人のような眼をする子どもに気を掛ける?生きる気も無いやつなど放っておけばいい」


騰蛇はそう一言だけ言い捨てると、その場をさっさと後にした。

















ということがある日起こります。

この後もちろん昌浩は倒れます。だって正面きって「死ぬんだったらさっさと死ね」と言われたも同義ですからね。
昌浩の記憶がない騰蛇だったらこれくらい言いそうじゃないですか?(私の考えが穿ち過ぎなんですかね?)
さて、床に伏せった昌浩。騰蛇に言われた言葉がずっと頭の中を廻っていてちっとも気が休まりません。寧ろ時間が経っていくほど騰蛇の言葉が浸透して昌浩の精神をガリガリと削っていきます。
いくら記憶がなくったって昌浩にとっては大事な”紅蓮”です。精神的なダメージは過去最高記録なんじゃないでしょうか?(きっと「その名を呼ぶな」並みか以上には堪えたはず)

この時から昌浩は心のバランスを崩していきます。
その証拠に昌浩は喜怒哀楽中の怒と哀の感情がごっそりと抜け落ちます。常に穏やかに微笑んでいます。某漫画のキャラは楽の感情だけでしたっけ?あのキャラはニコニコという明るい笑みですけど、この設定の昌浩は微笑・・・・どこか寂しげな温かい笑みを浮かべます。(薄幸少年街道まっしぐら?)
うわぁー、書いてて楽しいなぁ・・・・(えっ?!)

この後しばらく経って成親兄が漸く昌浩達のもとへ辿り着きます。
久しぶりに会った弟の姿を見て、成親は愕然とします。
なんていったって兄弟中一番元気で快活なはずの弟が、不健康かつ衰弱した姿に変貌してるんですから。一体何があったっていうんだ?!と動転します。
成親兄に理由を問い詰められても昌浩は笑って返すだけで何も答えません。そういえばいつも傍にいるはずの騰蛇はどうしたんだろう?と周囲を見渡せば、とっても寒々しい眼をした騰蛇を発見して更に困惑します。(ここらへんは本編とあまり変わらない)
昌浩の様子と騰蛇の変貌を見てこれが原因なのだろうな、ということは何となく察します。けどそれだけです。具体的な理由がわからなければ愛しい弟(笑)を元気付けることもできないので、その理由を周囲にいる神将達に問い掛けます。
神将達(といっても事実を知っているのはその場にいた勾陳と六合。けど太陰と玄武には説明済み)は鎮痛な面持ちでこれまであったことを成親に説明します。(この時昌浩の耳に入れてはまずいと場所を移動。昌浩の護衛には太陰と玄武が残ります)
説明を聞き終えた成親はもう呆然ですね。騰蛇を助けるために自らの命を擲とうとしたこととか、そこまでして助けた騰蛇の後の言動とか・・・・色んなことに衝撃です。まぁ、昌浩が命を擲とうとしたことは昌浩本人から聞き出し済みなので、主に騰蛇の言動にショックを受けます。

で、この後は原作の流れに沿っていきます。
あ〜、長くなりそうなのでここで一旦お話を切ります。
続きは・・・・まぁ、気が向いたら書くことにします。