★ネタ3★昌浩が若晴明時代に逆行したら・・・? 何故か好評だったので、引き続き続編を書いてみました。 えっと、前回は昌浩vs紅蓮のところまででしたよね?では、続きをいきます。 二人の距離が段々と近づいていくところの細かい説明は割愛させていただきますね。これを書くだけで何話もいけそうですから・・・(苦笑)。 でも、どんな遣り取りがあったのか、その一端を書きますね。 まぁ、今まで碌な人付き合いをしたことがない紅蓮こと騰蛇ですから、勿論昌浩の護衛につくことになったとしても、昌浩と殆ど会話をしないと思います。きっと、初めの挨拶なんか・・・ えーと、初めまして。俺は安倍昌浩。 十二神将騰蛇だ・・・。 そっか、よろし・・・・(騰蛇さっさと隠形する)あっ、隠形しちゃった・・・・・・。 みたいにまともな会話もないんじゃないでしょうかね。というか、ちゃんと名乗っただけでも上出来?これが青龍あたりだったら何も言わずに隠形しますって! で、そんなこんなで始まった二人の歩み寄り。間違っても紅蓮から歩み寄ってくることはないので、ここは昌浩に頑張ってもらうしかありません。もう、不屈の根性が必要ですよ! というわけなので、毎度毎度騰蛇に冷たくあしらわれる昌浩ですが、めげずに会話をしようと近づいていきます。でも、そうすると彼はすぐに隠形してしまうので、あらゆる手段を用いて騰蛇に話し相手になってもらおうとします。 そうですねぇ・・・・彼が護衛役であることを逆手にとったり、とか。 よいしょっと・・・・・(邸の築塀をよじ登る) ・・・・おい、何をしている。 え?いや、散歩にでも行こうかと思って。 戻れ。 どうして? 晴明の命令だ。 やだ。だって話し相手が誰もいないから暇だし・・・・。 ・・・・天一あたりにでも行け。 朱雀と一緒に異界にいるよ。第一俺は騰蛇と話がしたいってずっと言ってるのに、騰蛇は会話をするどころか、まともに顔を合わせてもくれないじゃんか。 ・・・・・・・・・・。 だったら外に出て、雑鬼達と話をしたりする方が少しは楽しいかなぁって。 ・・・・・・・・・・。 いいの?俺、本当に外に行くよ? ・・・・・・はぁ、努力はしよう。(昌浩の首根っこを掴み上げ、邸内へと戻る) 〜♪ その後に行われる会話は、やはり昌浩が一方的に話すことが多かったり。でも、隠形して逃げたりしなくなった分、かなりの進歩だと思います。 そんな二人の様子を晴明や勾陳あたりなんかは面白そうに見ています。 このネタにての二人は終始こんな感じです。 さて、このままずっと話しているといつまでたってもお話が進展しないので、二人の遣り取りについてはこれくらいにしておきます。 えっと、話の続きです。 一応、二人の仲が落ち着いてきたころに、昌浩は天空と太裳に遭遇します。 これについては恒例のミニ小説でお送りしたいと思います。では、どうぞ。 ある日、紅蓮こと騰蛇がたまたま昌浩の傍から離れている時、昌浩はふと珍しい気配を感じ取ってそちらの方へと声を掛けてみた。 「・・・・・太裳・・・・と、天空?」 「!・・・・よくわかりましたね」 そう言って姿を現したのは青磁色の髪をした青年――太裳であった。 昌浩は姿を現したのが太裳のみであることに軽く首を傾げた。 「太裳だけ?ここにいるのは。・・・・もう一つ、俺の知らない気配・・・・多分、これが天空のものだと思ったんだけど・・・・・」 「えぇ、そうですよ。ここには私と天空の翁がいます。・・・・ただ、翁の方は意識のみで、ご本人は異界の奥にいらっしゃいますよ」 「そうなんだ。じゃあ、天空とは話せないか・・・・・・・」 太裳の言葉に、昌浩は少々残念そうな顔をした。 しかし、そこに思いも寄らなかった返答が返ってきた。 「そんなことはない。声だけでならわしも話すことができるぞ」 「!天空・・・・なのか?」 姿なき声だけの存在に、昌浩は確かめるように恐る恐る声を掛けてみる。 そんな昌浩の問いに、声――天空は相槌を返した。 「左様。太裳も言ってたであろう?意識のみはこちらにあると。会話なら十分に行える」 「へぇ、そうなんだ。俺、天空の声を初めて聞いたよ」 「そうなのですか?他の十二神将達のことは知っていたようですが・・・・・」 「うん、天空を除いてはね。天空にだけは会ったことがなかったんだ。だから、皆の話す天空からどういう人なのか想像してみるだけだったから、声だけでもこうして会話することができて嬉しいよ」 言葉の前半は太裳に、そして後半は天空に向けて昌浩は返答を返した。 「そうであったか。・・・・・しかし、お主の見鬼の才とその勘はなかなかのものだな。我ら十二神将を労せずとも見ることができるものなど、晴明くらいしかおらぬからな」 「え?そうなんですか?えっと・・・・じい様の師匠―――賀茂保憲(かものやすのり)様でしたっけ?あの人とかはどうなんですか?」 「保憲様ですか・・・・?彼は確かに晴明様の師ではありますが、彼の見鬼の才では残念ながら晴明様や昌浩様ほどはっきりと私達の姿を捉えることはできないようです。それでも、一般の陰陽師の方々と比べたら見える方だと思いますよ」 「へぇ〜、そうなのかぁ」 「えぇ、ですから昌浩様ほどの見鬼の方は珍しいと言えますね」 「そっかぁ、俺自分の見鬼の才の強さについてとか、深くは考えたことがなかったからなぁ・・・・」 視える、視えないについてはいくらでも考えたことがあったが、その見える度合いについてまでは考えたことがなかった昌浩。 太裳の話に興味深そうに耳を傾けている。 そんな中、再び天空が口を開いた。 「視える状態の度合いについて考えたことがなかったというのは、恐らくその状態で不自由に思ったことがないからじゃろう。同じ見鬼の才を持つ者でも、わしら十二神将を視ることができる者とできない者がいるように、気配の微弱な妖を視ることが叶わない者とている。そういった己の限界という壁にぶつからぬ限り、それについての意識問題は出てこないのだろう。お主に至っては我ら十二神将を易々と視ることができるのだから、「視る」ということについては苦労などなさそうだからな」 「なるほど・・・・・」 確かに、天空の言うとおり昌浩は「視る」ことにおいて不憫を感じたことはない。 昌浩が元服を果たす前までは晴明に見鬼の才を封じられていたりなどもしたが、それは「視えない」という前提条件があった。それについては紅蓮の命と引き換えに見鬼の才を失くした件でも同様である。 視える、視えないというはっきりとした境界線がある以上、どの程度視える、視えないという話は成り立たないのである。視えないのであればどこまでいっても視えない。視えるのであれば、不自由を感じないほどには視える。つまり、どの程度までは視えるが、これは視えない。という中間的要素が全くないのである。 故に、昌浩は今まで己の見鬼の才の強さに関しては、さして深くも考えたことはなかったのである。 な〜んて、色々とお話を太裳達とします。(中途半端で申し訳ないです;;) 後はこの後に昌浩とじい様が夜警に出るお話とかあっても面白いと思います。 何せ、神将達の話では若い頃のじい様は、今の昌浩みたいに都中を駆け回っていたそうですから、もちろん妖が跋扈する時間帯に見回りにいかないはずがありませんって! 昌浩だって毎日の日課であったものですから、やはり夜になるとうずうずしているはずです。なので、二人で夜の都を見回ってもらったりとかして欲しいです。(願望) で、色々と無茶や危ないことをするじい様に、昌浩も「へ〜、じい様にもこんな時があったんだぁ・・・・」って驚いたり。まぁ、未来のじい様があれですからね。そんな光景はかなり新鮮だと思います。 妖を一緒に調伏したり、怪我を負ったりなどをしてお互いに信頼感を高めていけばいいと思います。 形としては先輩陰陽師とその後輩っていうのはどうでしょうか?考えてみるととても楽しそうですね。 あ、高於の神は登場させるか、させないか・・・・・・。 う〜ん、きっと一度くらいは会いに行きそうですね。そしてやはり面白がられると・・・・・。 若晴明共々、一緒にからかわれるといいさ!若いじい様だったらからかい甲斐があるはずです! そしてそんな二人の背後で神将達は彼らのやり取りを冷や冷やしながら見ていると・・・・。 うん、考えてみると色々と面白いですね! そんなこんなで交友を深め、馴染みつつある昌浩ですが、肝心の問題を忘れてはいません。 そう、どうやって元の時代に戻るか、です。これ、とっても重要ですよねぇ。ずっと若晴明時代にいるわけにもいかないんですから。 というわけで、時間が経っていくほど思考に余裕ができてきた昌浩は、その問題について考え始めます。 でも、こちらへと来るきっかけになったものがわからない以上、どんな要因があってこちらへ来てしまったのかがわからない。つまり、帰る方法の手がかりが全く無いということです。 こればっかりはじい様にもわかりません。当たり前ですね。 う〜ん・・・・と、二人は悩みますが一向に解決策が浮かんでこない。 そんな中、都中である怪奇な現象が起こり始めます。 建物が突如として新しくなったり、古くなったり、人が若返ったり、年老いたりなど・・・・・・。ある意味ホラーな光景ですね。 はい・・・これが昌浩がこの時代に来る羽目となった原因です。 もちろん、二人とも初めはこの事件が原因などとは思ってもいませんでした。 兎に角、ただ事ではないのだから調べないとな〜とう考えから始まった行動が、やがて昌浩が元の時代に戻る手がかりになっていく・・・・・・と。 えっと、今日はここら辺で区切りたいと思います。後何回くらい書いたらこのネタ語りは終わるだろう? 2007/8/3 |