★ネタ3★昌浩が若晴明時代に逆行したら・・・?

これを書くのも久々だなぁ〜。・・・・というわけで、引き続き続編。

えっと、前回はどこまで書いたんだっけ?・・・・あぁ、都で怪奇現象が起こってるってところまででしたね。
では、さくさく続きを書くことにします。

さて、都で起こっている怪奇現象の調査に乗り出した昌浩とじい様(+十二神将)。その原因を一生懸命に探しますが依然として不明。
異変の原因もわからず、どうしたもんかなーと途方に暮れている彼らの目の前でふいに空間が歪みます。
するとどういうことか、歪みの真っ只中にあった建物(神社とでもしておこう)が古びた様相から出来立てほやほやの新装へと様変わり。
これを見ていた昌浩達はびっくりですよ。古い物が一瞬で新しい物へと変わってしまうという異常な光景を見れば、そりゃ驚きもしますって。
で、この目の前で起こった異常現象のおかげで、今都で起こっている異変の原因がそれだということを知ります。(今までは様変わりした後の物、もしくは人しか見ていなかったので、変化する瞬間を見ていなかったわけです)
以上のことにより、都で起こっている異変の原因は何らかの『歪み』によって引き起こされているものだとわかって一歩前進です。

というわけで異変の原因の一端を知った昌浩達は、異変の根本である『歪み』が何によって引き起こされているのかを調査し始めます。
が、これがまた難航。物や人が新しくなったり(若返ったり)古くなったり(老いたり)するなんていう現象は最早人智を超えてますからね〜、早々原因がわかるはずもない。
取り敢えずありったけの書物を二人で読み漁ることに・・・・。


※以下はいつもの如くミニ小説で進行。










「う〜ん、この書物にもそれらしいものは載っていないな・・・・・」

「じい様、こちらにある巻物にも今回の現象に似通ったようなものは載っていませんでした」

「そうか・・・・やはり手に入る書物では調べられる範囲が限られているか・・・・・・・」


晴明は軽く息を吐きつつ、そこかしこに広げていた書物らを手早く片付ける。
昌浩も広げていた巻物たちを巻き戻し、一つの山として積み上げる。
粗方片付け終わった二人は、改めて向き直った。


「・・・・じい様、手に入る書物では調べられる範囲が限られると仰りますけど、じい様の手に入らない書物なんてあるのですか?」

「はぁ・・・お前の知っている私はどうであったかは知らぬが、今の私は直丁から上がって間もない陰陽生なのだぞ?そんなまだまだ立場的に下っ端な私が陰陽寮の重要書物や禁書などを易々と手に入れることができるわけないだろう?」


些か呆れたような表情を向けてくる晴明に、昌浩もそれもそうかと思い至ってあっ!というような顔をした。
若い晴明の姿というものにあまり違和感を感じない所為か、今現在昌浩自身が過去へと時を遡っているという事実を忘れがちになっていた。

昌浩の知っている晴明といえば陰陽寮という場においてもその立場や影響力が絶大である稀代の大陰陽師としての姿である。知識も、そして個人としての蔵書量の膨大さも抜きん出ていた彼の姿に慣れている昌浩としては、無意識の内に今の若い晴明にも同等のもしくはそれに近いものを求めていたようである。

昌浩は少々気まずい思いをしながらも、ここ最近の彼の暮らしぶりを振り返って「そういえばそういった所の違いもあったっけ・・・」と現状を見直した。そして未来の彼の姿を今の彼に求めることなどしないよう、己の言動への戒めをしっかりと心に刻み付けた。
歳の違いこそあれ、いくら同一人物であるとはいえ、他者と比較するような言動は軽はずみに行ってはいけない。それがいくら無意識で、悪気の無いものであっても時として人の心を傷つける刃となってしまう。
それは決してあってはいけないことだと、昌浩は心内でひっそりと己を律した。

と、最近の彼の動向を思い返していて、ふと引っかかりのようなものを感じて、昌浩は己の疑問をそのまま口に乗せた。


「・・・・・あれ?でもじい様、この間持ち出し禁止になっていたという書物の写本していませんでしたっけ?」

「あれは私が師匠(せんせい=賀茂保憲(かものやすのり))に丁重に頼み込んで借り受けたものだ」

「とか何とか言って背後に青龍を従えて脅しを掛けたりしたんじゃないんですか?」


眼光鋭く、強面な彼の神将(昌浩、何気に認識が辛辣;;)を連れて行ったのなら、そういった説得も楽になりそうだよな〜。という軽い気持ちから口に出した言葉であったのだが・・・・・


「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・え、そうなんですか?(冗談で言ったのに;;)」


それに反して返ってきたのは無言という、意外なものであった。

無言は肯定。
というか明からさま過ぎるほど、晴明は思いっきり視線を昌浩から逸らした。それでは言葉で肯定していなくとも、態度で肯定しているようなものである。

若干、何とも言えずに顔を引き攣らせている昌浩を見た晴明は、慌ててわざとらしく咳払いをすることによって誤魔化した。


「・・・・さて、丁度時間も空いたところだ。都の探索へと出掛けるとするか、昌浩」

「・・・・・・・今、誤魔化しましたね?」

「っ、六合、玄武!!(焦)」










なんて、まだまだ立場的に至らないじい様。という面が垣間見える遣り取りがあると良いなと思います。

じい様が一体いつまで直丁をやっていたのかよくわからない(もしかしたら私がただ覚えていないだけかも・・・・)ので、このネタ中では陰陽生になって割と時間が経っていないということにします。

そんなこんなで面白可笑しくも?日々は過ぎていきます。
その間も昌浩と晴明は神将達と共に原因の解明に励みますが、結果は芳しいものではありません。
う〜ん、一体何が原因なんだ??と頭を抱える昌浩達。原因がわからないなら視点を変えてみよー!という話になり、では一体原因が何であったらこのような現象を起こすことが可能かという話になります。

そこで手がかりと言いますか、原因解明の糸口に繋がる話が浮上。
きっかけは意外や意外。以前青龍が昌浩との初顔合わせの際にぽろりと零した言葉になります。
その言葉とは、『何を馬鹿なことを言っている。時間を遡るなど、到底人の身では・・・・無論神とてそう易々とできる芸当ではない。そんな見え透いた嘘を口から出任せに言うな』の部分になります。(※このネタの2にリンクしてあるリクで書いた小説、「時空を越えて挨拶を」参照)

・・・はい、この科白がミソです。青龍、神様だって易々とできる芸当ではないと言っていますが、『絶対にできない』とは言っていません(爆)。
揚げ足を取るような言い回しですけど、そういうことです。

皆であれこれと意見を出し合っているうちに、そういえばそんな芸当できる奴がいたなーみたいな話へとなっていきます。
無論、この時点でその人物が今回の都の異変の原因だと思っているわけではありません。
そういった能力を持っている奴もいたよな、的な認識位のものです。
何でそんな能力を持っている人物の認識が皆(この場合は神将達になります)は薄いのかというと、その人物は現在身動きを自由に取ることができない状況下にいたりします。もっと端的に言うと封印されちゃってます☆
なんで封印されちゃっているのかというと、昔昔にやってはいけないことをしちゃった罰として・・・としか言えませんね。(現状でこのネタが小説へと昇華されるかどうかわからないもんですから;;)

とまぁ、ここまで語れば先は見えてきますよね?
はい、この人物が都の異変の原因となります。ですが!この時点においては昌浩達はまだ確証を得ていないということになります。

まぁ、そんな話が上ったので、その人物が封印されている場所を念のために確認しに行こうという話しになります。
場所としては都からやや離れている場所にあるのですが、そんなもの太陰の風でびゅーん!とひとっ飛びです。その際、風流(確かそんな名前だったような・・・・違っていたら申し訳ない;)に慣れていない昌浩は相変わらずぐったりしているとして、じい様も昌浩同様に(若干わかり辛いところはあるだろうが)ぐったりしていると良いと思います。
このネタのコンセプトとしては、本編では見られないだろうじい様の姿を書こう!というものですしね・・・いいですよね?(汗)

さてさて、やってきた封印場所。案の定と言いますか、封印は解けてしまった後でした。
これでほぼその人物が原因だと確定。本人に出くわさない限りには確証にはなりませんけど・・・・。

ほぼ黒に近い灰色な人物の存在を掴んだ昌浩達は都へと帰還。
殆ど間を空けずにその人物を遭遇することになります。








・・・・というところまで書いて、今回のネタ語りは終了します。次回までには異変の原因の人物の名前を考えておかないとな〜。









2008/1/12