序章
薄桃色の花弁がひらひらと舞い踊る。
ようやく春らしくなってきて桜の花が咲き出した、ある陽気のいい昼下がり。
ここSEED学園の生徒会室では入学式、および新入生歓迎会に向けての話し合
いと準備が行われていた。
「今年の新入生の方はどうだ?イザーク」
生徒会長であるアスランが副会長であるイザークに話し掛けた。
「そうだな・・・・今年はなかなか優秀みたいだぞ?」
「そうか」
イザークはちょうど新入生の名簿帳を眺めていたので、感想を簡潔に言った。
「そういえば入学試験のペーパーテストで全教科満点の方がいたみたいです
よ?」
思い出したようにニコルが話し出す。
「そういえば、いらっしゃいましたね」
「えっ!マジ!?」
ニコルの話題にラクスとディアッカが反応を示す。
「この学校のテスト内容は結構(実はかなり)難しいのですけど・・・・」
「去年はアスランがオール満点でこの学校に入ったけどね」
「アスランは別として、あのテストを満点って・・・そいつ余程できるんだな」
「よかったな〜生徒会長。後を継いでくれる優秀な後輩が入って」
「――って、まだそいつが生徒会に入るって決まってないだろう?」
上からニコル・キラ・カガリ・ディアッカ・アスランの順。
「あら、でも生徒会のメンバーになるのでしたらそれなりの条件を満たさなけれ
ばなりませんわね?」
「「「「「「「え?」」」」」」
ほわほわした雰囲気で唐突に言い出したラクスに、ラクス以外の生徒会メンバー
は訝しげな視線を集める。
生徒会メンバーになるためのそれなりの条件、そんなものは何もなかったばずな
のだが・・・・・・・。
「ラクス、条件なんてものは何もないはずだぞ?」
一同の疑問をカガリが代表となって口に出す。
そんなカガリのセリフに、ラクスはさも不思議そうに首を傾げて数回瞬きをする。
「でもこのメンツを見てみれば、それなりに共通点が出てくると思うのです
が・・・・・・・?」
ラクスの言葉を聞いて、他のメンバーは生徒会メンバーの共通点を探す。
「共通点、ないことはないですね・・・・・確かに」
しばしの逡巡の後、ニコルがぽつりと言う。
こういってはなんだが、SEED学園の生徒会のメンバーは他の学校に比べてかな
り異彩を放っている。
生徒会のメンバー一同頭がいいのはもちろん、美男・美女揃い。アイドルグループ
顔負けのビジュアルで、校内および校外にまでファンクラブが結成される始末。
SEED学園の生徒会といったら知らないものがいない位にとても有名だ。
そしてなにより、彼らのファミリーネーム。ザラ・ジュール・アスハ・クライン・エルス
マン・アマルフィーといったらこの国のトップに位置づけられている、いわずと知
れた名家中の名家である。
「ラクス、そいなこといったら僕は生徒会に入ることができないと思うんだけ
ど・・・・・」
それに対してキラは少し困ったような表情をつくる。
キラは生徒会唯一、一般家庭で育った子供である。
「あら、キラは特別ですわvvv」
「特別って・・・・・・・・」
何が?と聞いてみたいが、ラクスはただ微笑んでいるだけで答えてくれそうにな
い。
「まぁ、その話は置いといてだな。そいつが入ってくれるのならそれに越したことは
ないな。こちらとしては人手が多い程助かる」
ずれた話の軌道をイザークが修正する。
「そうそう。どっかの誰かさんは生徒会に入っているにも関わらずに仕事をサボ
リまくるしな・・・・・・」
じぃ〜。
カガリが言い終わると同時に、ディアッカに全員の視線が突き刺さる。
「なっ!?どっかの誰かさんって俺のことかよっ!!」
全員の視線を浴びる羽目になったディアッカが思わず声を上げる。
「お前のことに決まっているだろう」
「貴様以外に誰がいる?」
「あなたしかいませんね」
「言わずとも知れていますわv」
「ディアッカしかいないね」
「もちろんお前のことだ!」
ディアッカの異議申し立てに全員が各々に一言ずつ感想を言う。
ちなみに上から、アスラン・イザーク・ニコル・ラクス・キラ・カガリの順になっている。
「何も皆同時に言わなくても・・・・・・・」
全員から容赦のない言葉の攻撃を受けて、流石のディアッカも悄然と肩を落とす。
「言われたくなければ、きちんと仕事をすることだな」
肩を落としているディアッカの様子に、ちょつぴり可哀想だな・・・・と思った者もいた
が、イザークは容赦なく畳み掛ける。
「ちゃんとしてるじゃんか」
拗ねたように言ったセリフにさえ
「お前の場合は必要に迫られた時だけだろう!」
とカガリから止めを刺されてあえなく撃沈する。
「とにかく、いい子入ってくれるといいね」
今までその様子を眺めながらクスクスと笑っていたキラが、おもむろに口を開く。
「本当にそうですわね」
キラの言葉にラクスが賛同する。
「それじゃあ、話が一区切りついたところで新入生の歓迎会についてだ
が・・・・・・・」
話の頃合を計ってアスランが話を切り替える。
SEED学園生徒会執行部の話し合いはまだまだ終わりがみえないようだ。
入学式まであと何日も日は残ってはいなかった。
※言い訳
G‐SEED+DESTINYの初めての小説になるのですが・・・・・うわっ!また
やっちゃったよ!?なんでこう初書きの小説が長編ものになってしまうんだろう
・・・・・(悩)
この話はギャグのつもりで書いていたはずなのにギャグっぽくない!?かと
いってシリアスでは決してないし・・・・・大前提のはずのキラ総受けにもなって
ないって大問題じゃないのか??(←自問)
しかも学園ものなんて終わりが見えないしっ!!(←なら初めからやるなよ・・・)
と、とにかくっ!亀の歩みより遅いペースになると思いますが、頑張って更新
していきたいと思います。
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2005/4/6