双龍の寵愛を受けしもの















その日は特別何かあった日ではなく、至って平穏な一日であった。




そう、濃紺の帳が下り、夜行性のものを除いた生あるもの達が寝静まり始める時刻に鮮烈なまでの強大な神気が顕現するまでは・・・・・。


「っ!な、なに?!!」


突如として現れた清冽な神気に、十二神将・太陰は驚きの声を上げた。
太陰のように声を上げることはなかったが、その邸にいた者達全員(だが約一名を除く)も表情を驚愕と困惑に染めていた。


「神気?高淤加美神か・・・・・・?」


物の怪から人型へと転じた紅蓮は、訝しげに眉を顰めながら疑問を口にした。
その疑問を隣にいた勾陳が徐に首を振って否定する。


「・・・・・いや、確かに高淤加美神の神気の波動と似ているが、違うな」

「高淤加美神ではない?この邸に姿を現すような神など、あの神を除いて心当たりなどないぞ?」

「その意見には同感だが・・・・・・晴明、どうする?」


未だ邸内にてその身を留めている神気の持ち主。
その目的は定かではないが、このまま何もせずにはいられないだろう。

そこで主である晴明の判断を仰ぐことにした。

ちなみに、現在晴明の部屋には晴明・紅蓮・勾陳・六合がいる。
先ほど驚きの声を上げていた太陰は、玄武と共に彰子についている。


「ふむ。兎に角この神気の持ち主に会わぬことには始まらないじゃろう。会わねばこの邸を訪れた旨について聞くこともできぬし、そもそも礼儀に欠けよう」

「・・・・・わかった」

「では、会いに行こうとしようか」


やれやれと軽く息を吐きつつ、晴明はその腰を上げた。
紅蓮達もそれに合わせて腰を浮かせた。










「!この神気は・・・・・・・・・」


同時刻、安倍邸の一角でぽつりと呟きが零れた。










晴明が部屋を出て邸の中庭へと視線を向けると、その神気の持ち主は地面より少し離れた空中に人型をとって止まっていた。
その容姿は秀麗。外見は男で、やはり神の眷属らしく古風な衣装をその身に纏っている。癖の強い濃紫の髪を旋毛で結い上げており、風もないのに緩やかに波打っている。


「じい様!」


少し遅れて昌浩と彰子、そして太陰達もその場に辿り着いた。

晴明は目線を遣して一つ頷いてから、改めて目の前に顕現している神を仰ぎ見た。


「このような邸に、一体何の用事ですかな?」


晴明は動きを見せぬ神に、思い切って質問の言葉を投げかけた。
そこで漸く神は晴明へと視線を合わせた。


「お前が安倍晴明か・・・・・・お前のことは高淤から聞いている。我が名は闇淤加美神《くらおかみのかみ》、高淤と対を成すものだ」

「闇淤加美神・・・・・・・。して、闇淤加美神よ、この度の来訪の旨をお聞かせ頂いていいですかな?」

「・・・・・・・・」


晴明の言葉に、闇淤は何も返さない。

と、そこで闇淤は徐に視線を移動させた。
視線の先には昌浩がいた。

じっと藍の瞳が昌浩を見つめる。昌浩もそれに対して冷や汗を流しながら見つめ返した。
闇淤の視線の先に昌浩がいることを知った晴明達は、やや困惑げな表情で二人の様子を交互に見遣っている。

ふいに闇淤の藍色の瞳が揺らいだ。そして――――







「みぃ〜おぉぉぉ〜〜〜っ!」







と、情けない声を出しながら昌浩に泣きついた。


「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」」」」」」


みお?誰だそれは。

というか、泣きつかれているのは昌浩。

・・・・・・一体どういうことだ?


当事者の二人を除いて、その場にいた全員に疑問符が飛ぶ。


「・・・・・・闇淤加美神、どうか泣かないでください。一体どうしたっていうんですか?もしかしてまた高淤加美神に苛められでもしましたか?」


突然神に泣きつかれた昌浩は、慌てふためくわけでもなく、落ち着いた物腰で闇淤を慰めている。

お前、何でそんなに落ち着いてるんだよ!?

その場にいた者たちは内心声を揃えて突っ込んだ。
おかしい、絶対におかしい。今は威厳もへったくれもないが、泣きついているのは間違いなく神格(それもかなり高い)を有している存在だ。何故そんなに平然とした態度で背中を擦ってやれているのか、状況として理解できない。
というか、大の男(しかも神)が子どもに泣きつく様を見ていて、何とも言えない奇妙な気分に襲われるのは仕方ないことだろうか?恐らく仕方ないことだろう・・・・・と、思いたい。


「違うっ!別に高淤の奴に苛められたわけではない。澪<みお>、問題はお前の方だ!!」

「私・・・・ですか?闇淤加美神、貴方を泣かせてしまうような真似をした覚えはないのですが・・・・・・一体何がお気に触ったのでしょうか?」

「俺に断りも無しに何で人里に降りてるんだ?!高淤には断ったようだが・・・・・。帰ってきたら姿がなくって心配したんだぞ?!」

「そう言われましても・・・・・・・。その時は闇淤加美神はいらっしゃらなかったですし、高淤加美神が後で言っておくと仰られたので、しばらく空けるという言伝をお願いして山を降りたのですが・・・・・・・」


怒涛の勢いで闇淤に詰め寄られる昌浩は、困惑の表情を浮かべながらもそう弁解する。


「なにっ?!あいつ何も言わなかったぞ!お前の姿がないからどこにいると聞いたら、『今面白いことになっているから、あれの気配を探って様子を見てきてはどうだ?』としか答えなかったぞ?!!それで言われたとおりに気配を探ってみればお前はこんなところにいるし・・・・・・」

「闇淤加美神、そう言われましても私がここにいるのには訳がありまして・・・・・」

「ところで澪、どうしてお前はそんなに他人行儀で俺に話しかけるのだ?いつものように闇淤と呼んでくれ」

「あ、はい、闇淤の神・・・・・・」


どこまでも自由奔放な態度の闇淤に、昌浩は振り回されっぱなしである。
どこまでも二人の世界を築いている昌浩達に、晴明達は呆然としている。


「さて、澪も見つかったことだし・・・・・帰るぞ」

「え?ちょ、ちょっと待ってください!闇淤の神!!」


腕をぐいっと引っ張り、強引に連れて行こうとする闇淤に昌浩は慌てて声を上げる。
昌浩の慌てた声を聞いて、晴明達の硬直も漸く解ける。


「ちょっと待て!昌浩をどこに連れて行く気だ?!」


いち早く正気に戻った紅蓮が慌てて声を掛ける。
それまで散々周囲を無視してきた闇淤は、そこで漸く周りへと視線を向けた。

ひたと、金と藍の瞳がかち合った。


「どこ?とは愚問な・・・・・・・。帰るのだよ。澪の正当なる居場所・・・・・我らが淤加美神の下に」

「澪?正当なる居場所?何を言っている、その子どもの名は昌浩だ。そして昌浩の居場所はここ、安倍邸にある」

「昌浩、とは一体誰のことだ?このものは澪だ。神であり、こいつの主であるこの俺が間違えるはずが無かろう」

「主?・・・・昌浩、一体どういうことだ?」


どうにも話が噛み合わないので、紅蓮は質問の矛先を昌浩へと変える。
闇淤も漸く話の食い違いに気がついたのか、問うような眼差しを昌浩へと向ける。
いきなり全員の視線が己へと集中して昌浩は若干戸惑うが、兎に角説明しなければ現状が動かないことを察してぎこちなく口を開いた。


「そのままの意味だよ。淤加美神・・・・・高淤加美神と闇淤加美神は俺の主だ」

「ちょっと待て。高淤加美神はともかく、この目の前にいる闇淤加美神といつ主従関係を結ぶ機会があったっていうんだ?俺の知る限り、そんな機会などなかったと思うが・・・・・・・」


それ以前に神と人間が主従関係を結ぶこと自体がありえない。
人間など生きて100年にも満たないだろう。神に属する者達にとっては本当に刹那の命。
仮にその人間を気に入っていたとしてもそれは気まぐれの寵愛で、主従関係を結ぶほどに固い絆など結ぶはずは決してないのだ。

が、そんなことなど今は追及すべきことではない。
今一番の問題なのは、その主従の権利を主張して昌浩を連れて行こうとする神がいる。その一つに限る。


「うん、それはそうだよ。だって、淤加美神と主従の契りを交わしたのは”昌浩”として生まれる前のことだし・・・・・」

「生まれる前、だと・・・・・?」


ということは何か?前世でこの目の前にいる神と主従の契りを交わしたとでもいうのか?

本当はどうして生まれる前だとはっきり言えるのか、前世の記憶を持っているのだろうかといった様々な疑問が脳裏を駆け巡ったが、その疑問は取り敢えず横に置いておくことにした。

言葉にはしない紅蓮の疑問を悟ったのか、昌浩は緩く首を横に振った。


「違う。淤加美神と主従の契りを交わしたのはあくまでも”俺”だ。安倍昌浩の前世は関係ない」

「ますます意味がわからないぞ、昌浩・・・・・・」


紅蓮は困惑げに眉を顰めて昌浩を見る。

と、そこで今まで口を閉ざしていた晴明が、徐に口を開いた。


「”昌浩”の前世は関係ないと言ったな?では昌浩、お前が”昌浩”として生まれてくる前はお前は一体”何”だったのじゃ?」

「晴明?それは・・・・・」


晴明の質問に、神将達と彰子は怪訝そうな顔をする。
困惑の表情を浮かべる神将達とは反対に、昌浩は感心した風な表情を作る。


「流石じい様。目の付け所が違いますね」

「ほぅ?というと?」

「俺が”昌浩”として生まれてくる・・・・・いや、存在する前は『天狐』でした」

「「「「「「天狐っ!?」」」」」」


昌浩と闇淤を除く、その場にいた全員が驚きの声を上げる。


「・・・・・昌浩、何故『生まれてくる』を『存在する』と態々言い換えた?」

「・・・・・それにも理由があります。俺は昌浩という人間であると同時に、澪という天狐でもある・・・・・・・」

「人間であり天狐でもある?・・・・昌浩、その物言いは些か矛盾してはいなか?人は人にしかなれず、天狐もまた天狐としかなりえない。どちらとも、というのは状況的に苦しいと思うのだが・・・・・・・・・」

「そうだね、勾陳の言うとおりだ。ただ、俺の場合はちょっと特殊だから・・・・・・・」

「というと?」

「本来、”昌浩”という存在は、この世には存在していないはずなんだよ」

「・・・・・・なんだと?」


昌浩は”昌浩”は本来存在しない者だったと言う。では、この目の前にいる”昌浩”は一体誰だというのか・・・・。


「”昌浩”は死産で、本当はこの世にはいません」

「「「「「「なっ!!?」」」」」」


晴明達は今度こそ絶句する。


「馬鹿なっ!じゃあ、お前は・・・・・今まで昌浩として生きてきたお前は何だって言うんだっ!!」

「”安倍昌浩”の身体に”澪”という魂を宿した『昌浩』だよ」

「言っている意味がさっぱりわからん」


玄武が眉間に皺を寄せて思わず唸っている。
彼の隣にいる太陰も、頭から煙を出さんばかりの勢いだ。


「ちょっと昌浩!もっとわかりやすいように説明しなさいよっ!!」

「うーん。つまりだね、本当は生まれた時には死んでしまっているはずの昌浩の身体に、澪という魂が宿ることによって今の昌浩という存在が生きているわけ。身体だけでも、魂だけでも、今の昌浩は存在しないんだよ・・・・・・・」

「そこよ、そこっ!どうして昌浩の身体に澪っていうやつの魂が宿んないといけないのよ?!」


そこの理由がさっぱりよ!と太陰は鋭い突っ込みを入れる。
昌浩はその質問に対して、少し歯切れが悪そうに言葉を続けた。


「それは・・・・・ある人に頼まれてね。じい様を間近で支えてやって欲しいと言ってきた人がいるんだよねぇ」

「「「「「「は?」」」」」」

「本来、昌浩という存在は安倍晴明を助ける為の役割を背負ってこの世に生まれてくるはずだったんだ。けど、どこに歪みが生じたのか、昌浩の命は産声を上げる前に母である露樹の腹の中で絶えてしまった」

「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」

「そのことにいち早く気がついたのが、じい様をひっそりと見守っていた人。”私”に昌浩になってはくれないかと頼んできた人だった・・・・・・」

「昌浩、その人とは・・・・?」

「その人の名前は晶霞。天狐が一人」

「「「「「「晶霞ぁっ?!」」」」」」

「じい様だったらこの意味、わかるよね?」

「・・・・・・・・・・」


思わぬ名前に、皆が皆驚きに目を丸くする。
つい先日の事件で関わっていた天狐の一人の名前がでてくるとは流石に思わなかった。
特に驚きの表情を強く浮かべていたのは、もちろん晴明であったが・・・・・・・・。


「晶霞は動きたくても身動きがとれなかったからね、凌壽に気づかれないためにもね」

「ん?待て、じゃあ何でお前は動いて平気なんだ?お前だって天狐だろう??」

「やだなぁ、紅蓮。そんなの俺が晶霞や凌壽よりもずぅっっと年上だからに決まってるだろ?経験はものをいうんだよ」

「・・・・・・・・・・」


お前一体いくつ何だ?という質問はすまい。何だか聞くのも恐ろしい気がする。
まさに狐と狸・・・・・いや、狐と狐の化かし合いだ。


「だいじょーぶ!紅蓮達よりは年下だから」

「・・・・・そうか」


一体何が大丈夫なのかはわからないが、紅蓮は取り敢えず頷いておくことにした。


「・・・・・一つ質問していいだろうか?」

「ん?何、六合?」

「昌浩が昌浩として生まれた時点でお前が既に宿っていたのだろう?では、お前はずっと澪の記憶を持ったまま、昌浩として今まで生きてきたのか?」

「ん〜、それが違うんだよねぇ」

「?違うのか?」

「うん。俺、つい最近まで自分が”澪”という存在だってことを忘れてたんだよね」


頬軽く描きながら、昌浩は視線を宙へと彷徨わせる。


「忘れていた?」

「そう。俺自身が昌浩だっていうことに疑いなんてこれっぽっちも持ってなかったし、俺はこの十四年間ずっと昌浩として生きてきたことに偽りはないよ?うん、これだけははっきりと言える」

「では、いつ澪の記憶を取り戻した?」

「本当につい最近。凌壽に会ってからかなぁ?きっと同じ天狐の血というか魂?が何らかの干渉をきたしたんじゃないかな?それで澪としての記憶が掘り起こされたんだと思う」

「そうか・・・・・・・・」


大体質問し終えた六合は、納得したのか口を閉ざした。

丁度話の流れが途切れたところを見計らって、闇淤が口を開いた。


「もう十分に質問はしただろう?これ以上は付き合ってられん。澪、帰るぞ・・・・・」

「なっ!昌浩は・・・「澪は俺の配下だ。ひいては俺と高淤のものだ。末席如きが口を挟めるものではない」

「っ!!」


まさに天上天下唯我独尊。俺様主義を地で行くような発言だ。

悔しげに唇を噛む紅蓮と、さも優越そうな顔をする闇淤とを見比べながらも、昌浩は浅く吐息を吐いた。
そして丁寧な手つきで自分の腕から闇淤の腕を引き離す。
それを闇淤は訝しげに見遣った。


「澪・・・・・?」

「闇淤の神。申し訳ありませんが、私はまだすべきことがありますので貴方と共に帰るわけにはいきません」

「・・・・・・・俺の命を退けるか?お前の主たるこの闇淤加美神の命を・・・・・・・・」

「はぁ。だから先ほども申し上げましたでしょう?高淤の神には了承を得ているのです。そして我が同胞である晶霞の願いを無下にすることなどもできません。第一、私は今は人間の身なのです。この身で神の配下は務まりませんよ」

「ならばその人の身を捨てればいい。お前の同胞の願いとて、今まで十分なほどにそこの老人を支えてきたんだろう?ならいいじゃないか。どうして拒む必要がある?」

「闇淤の神・・・・・・・」


聞く耳を持たない闇淤に、昌浩は困ったように眉尻を下げる。

と、その時。新たに強大な神気が現れた。
しかも昌浩や紅蓮達が何度かその身で触れたことがある馴染みの神気が・・・・・・・・。







「我が儘もそれくらいにしたらどうだ?闇淤・・・・・・・」







「高淤・・・・・・・」

「高淤の神・・・・・・・・・・」


そう、目の前に人型をとって姿を現したのは、貴船の祭神・高淤加美神であった。

高淤と闇淤。
二人揃って並んでみると、確かにその神気の波動がとても似通っていることがわかる。
人型についても本人達が意図して真似ているのかどうかは知らないが、男と女の違いを除けばとてもよく似ていた。


「澪とて今は安倍昌浩として生を送っているのだ、なのにいきなりその生活を取り上げてしまっては酷というもの。たかだか60年や70年くらい我慢はできないのか?」

「嫌だね。そりゃあ、高淤はいいさ。ずっと澪を近くに置いてられたんだから・・・・・俺なんて150年ぶりなんだぞ?お前は全部俺に仕事を押し付けといて、自分は澪を構い倒してさ。俺だって鬱憤が堪ってるんだよ!」


高淤加美神、あんた自分の仕事を人に押し付けてるんかい!?

晴明達は思わず内心で突っ込んだ。


「それはお前が勝負に負けたのがいけないのだろう?負けた方が勝った方の分まで仕事を担う。お前が言い出したことだろうに」


高淤は何を当たり前なことを・・・・と呆れた様な顔で、闇淤を見遣る。自業自得だろうと・・・・・。


「ぐっ!?そ、それは・・・・・・・」

「それなのに澪に八つ当たり染みた我が儘を言うなど・・・・・・神として情けなくは無いか?」

「う゛っ・・・・・・」

「ほら、見ろ。澪が泣きそうな顔をしてるぞ?お前は澪を泣かせる気か?」

「え゛っ?!」


高淤の指摘に闇淤は慌てて昌浩の顔を見下ろす。
と、そこには確かに涙で潤んだ瞳で見上げてくる昌浩の顔があった。


「あぅぅぅ〜・・・・・;;」

「わかったなら大人しく持ち場(貴船)で待つことだな。澪とて薄情ではない。たまに顔を見せに来てくれるさ。なぁ?澪」

「Σうぇっ?!あっ、はい!もちろん伺わせていただきますっ!!」

「だそうだ。それでいいだろう?」

「ううっ、澪ぉ〜〜;;」


こうして、突如として現れた高淤加美神は、闇淤加美神の首根っこを引っ掴んで貴船へと帰っていった。











「「「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」」」

「で?結局何しに来たんだろうね、あの人(神)達・・・・・・・」

「・・・・・・さぁ?」










後には、唖然とした表情のまま貴船のある方角を見遣る昌浩達が残されたのであった―――――――。









追記

その後、何かとつけて安倍邸を訪れる変わり者の神が出現するようになったのは想像に難くない。
















※言い訳
というわけでサイト開設二周年記念のフリー配布小説です。こんなんで良ければ貰ってやってください。
ここで文章中では説明に足りない部分を説明します。
まず、オリキャラとして登場の闇淤加美神。彼は高淤加美神の対となる存在です。双子、っていっていいのか?色々調べてみて、高淤加美神と闇淤加美神は同一人物だという説と二人で一つ(一対?)説があったので、今回は二人で一つ説を採って見ました。原作では同一人物説のようでしたけど・・・・・。
そして澪について説明。澪は天狐の一人です。今は昌浩の体の中に入っていますが、別に人間に転生したわけではありませんので、昌浩という体が天寿を全うしたら元の天狐として再び生を送ります。晶霞とは仲が良かったです。天狐って寿命はどれくらいなんだろ?文章中で書いたとおり、高淤・闇淤加美神(この二人を同時に呼ぶ時は淤加美神という表現になる)の配下です。何故天狐なのに配下なのか、まぁそこは天上天下唯我独尊な二人に目をつけられて(気に入られて?)なし崩しになったものとします。(だって押しに弱そうだし・・・・・)。あ、普段は昌浩は一人称は『俺』と言っていますが、淤加美神相手の時(というか澪として対峙する)は一人称が『私』になります。口調もいつになく丁寧です。
とまぁ、説明はこのくらいにしておきます。



2007/4/8