春、桜、青春、爛漫








「アレン、今度の日曜日花見に行こうぜ♪」
「・・・・はぃ?」

放課後、アレンが一人学級委員の仕事を片していたところ。ラビが教室に来て、開口一番に言われた。
(ちなみに彼はアレンの隣の――楽(らく)の――席に座って頬杖をついてだらけている・・・)

「何ですかラビ。いきなり・・・」

呆れながらも彼のほうに向き直り、とりあえず聞いてみる。

「ほら、今の時期桜が見頃だろ?俺、日曜バイト休みなんさー。久しぶりにデートvvしよ?」
「!?///」

『デート』

という言葉が出ただけで一気に赤面するアレンを「可愛いなぁvv」とか思いながら、ラビはにこにこと
笑みを浮かべアレンの返事を待った。

「・・・・・ただ、桜を見るだけなら・・・いい・・・///」
照れているのを隠そうとしてか、俯きがちにアレンは言った。(どうやら彼の中にはデート=アレ。の方程式が成立しているもよう…)
(あ。俺ってもしかして信用されてない??・・・・ま、確かにその気もあったけど/笑)

「大丈夫だって。しかも公園なら花見祭りもあるから・・・屋台もあると思うぜ?」
「え?ホント??」
ぱっと顔を上げて、明らかにこのネタに食いついたアレン。
(俺は屋台以下かよ・・・)
と、ラビは内心凹みながらも、これでデートの約束はつけたわけだ。結果オーライ。
「OK♪んじゃ、詳しいことは今日バイト終わって家帰ったら、メールで連絡すっから」
「うん、わかった。・・・ラビはバイト、これからなんですか?」
「あぁ――何、アレン?寂しいんか??」
アレンの聞き方に少し残念そうな響きがあったので、からかいで言ってみたところ「違います。」と
キッパリ否定された・・・・。(ちょっとショック)
「暇だったらこの仕事手伝ってもらおうと思ったんですけど!いいですよもう・・・・
・・・・バイト、頑張ってきてください」
拗ねたような口ぶりでごまかそうとはしているが、その言葉の中にはやっぱり残念がっているというか、
寂しさが滲んでいて。知らず愛おしさがこみ上げてきたラビは、いきなりアレンを抱きしめていた。

「ら、ラビッ!?///」
泡を食ったように慌てふためくアレンを尻目に、ラビはそれでも抱きしめたまま。
「アレンは可愛いなーvvvホント。全部大好きさぁvvv」
彼の周りにはハートが乱舞しているような状態で、この光景を見た人は誰もが「バカップル」だと思うだろう…。
「・・・・ハイハイ。僕も好きですよ・・・」
呆れたような言い方だったが、それでも両腕をラビの背に回して応えた。

「・・・・ていうか、バイトは行かなくていいんですか?」
漸く自分達の現状に気づいたアレンは彼を無理やり引っぺがし、時計を指差した。
あと10分くらいで5時ちょうど。
「あぁっ!?もうこんな時間かよ!!?やっべぇさ!!・・・・てなわけで今日はコレで勘弁な」
言うなりラビはアレンの顎をつかんで引き寄せると、そのまま不意打ちといってもいい口付けを落とした。
「な・・・・っ!!!////」
「ごっそーさん♪んじゃなーアレンvv」
ゆでだこ以上に顔を赤らめたアレンを後にして、ラビは教室から出て行った…――――。




一人教室に残されたアレンはしばらく教室のドアを見つめていたが、まだ残っている仕事を片付けようと机に向き直った。

ふと、彼が触れた部分に指を当ててみると、さっきの感触がまだ鮮明に残っており、アレンは一人恥ずかしくなった。
そしてまだ熱をもったままの頬に手を宛がい、ぽつりと呟いた。
「―――帰りまでに顔の赤いの、直ってるといいな・・・」







次第に日が傾き、教室を橙に染め始める頃。その呟きを聞いたものは誰もいなかった―――。





         fin.







*あとがき*
これは皇 紫陽さんのみ、お持ち帰りできます*
ていうかこんなんでホントにいいの??(汗)紫陽サン。
甘+ギャグって感じで仕上げたつもり…なんだけど…(ちなみにオリジ設定満載でお送りしてますパラレルの番外編ということで・・・;;)
タイトルは適当(オイ)。
とりあえず書いたんでもらってやってくださいませ(´∀`)/゜。・*