〜桜〜
ひらひらと桜の花びらが舞い落ちる木の下。
そこにシートを広げてアレン・カンダ・ラビ・リナリーの四人は花見をしようとしていた。
「アレン、オレの隣に座りなよv」
地面に敷いたシートにさっさと座って自分の隣の空いた席をポンポンと叩いて、アレン
に座るように勧める。
「は?ラビ、テメェ何ふざけたこと言ってやがる!・・・・・・モヤシ、当然オレの隣に座る
だろ?」
そんな行動をするラビにカンダは不機嫌そうにギロリと睨む。
「あ?お前こそ何さも当然のように言ってんの?」
「うるせェ・・・・・大体テメェはモヤシに馴れ馴れしくし過ぎなんだよ!」
「と――ぜんっ!オレとアレンは仲いいもんね!!な―、アレンvvv」
「えっ!?はぁ・・・・・・そうですね」
「ちっ・・・・・・・・」
ぼ―っと二人のやり取りを眺めていたアレンは、突然話を振られたので思わず首を縦
に振ってしまった。
「そういうお前こそ、アレンと仲がいいって感じじゃなさそーだけど?」
反撃っとばかりにラビが切り返す。
「お、オレの方がモヤシと付き合いは長いっ!!」
「ちっちっ!こういうのは付き合いの時間の長さじゃなくって、いかに仲良くなるかだ
ろ?」
「なんだと・・・・・・・・?」
「なんだよ?」
睨み合う二人の背後に虎と龍が見えるのは気のせいだろうか?
「で、どっちに座るんだ?(のさ?)」
「え゛っ!?・・・・・・・えーと・・・・・」
睨み合っていた二人だが、このままでは埒が明かないと判断したのか同時に聞いてき
た。
この部分だけみれば実は仲いいんじゃないですか?と言いたくなる。いや、実も何もそ
れなりに仲はいいのだろう。
表向きにこやか且つ飄々とした様子で自分の席を勧めるラビと、オレの隣に座るのが
当然!といった態度でこちらに鋭い視線を送ってくるカンダの二人にどう対処したらい
いかわからないアレンは困り顔で二人の顔を見比べる。
困り顔もかわいいなぁ。と内心思っているのはカンダ・ラビ・リナリーの三人。
ど、どうすればいいんですか〜???と内心半泣き状態でパニックを起こしかけている
のはアレン。
はっきり言ってどちらの勧めを断っても、後の反応が怖い。
こんなことになるならこなければよかった・・・・・・。
アレンが内心で溜息をついた時、幸いにもリナリーが助け舟を出す。
「もぅ!二人ともやめなさい。アレン君が困ってるじゃないの!!」
「え〜〜っ、だってさぁ」
「・・・・・・・ちっ」
リナリーの言葉にラビが文句を口にし、カンダは舌打ちをする。
「だから、二人の意見を酌んで・・・・・・・アレン君、二人の間に座ってv」
「え゛っ!?」
どうしてそういう展開になるのだろう?二人のことは嫌いではないが、こうピリピリとし
た空気が漂っている二人の間に座るにはかなりの気力がいるだろう。仮に座ったとし
ても居心地がかなり悪いのは日を見るより明らかである。
「そうでもしないと、二人とも納得してくれないでしょ?」
「う゛っ・・・・・・そ、それは多分そうだと思いますけどぉ・・・・・・」
この二人の様子では。
「でしょ?仲裁も兼ねて、アレン君が二人の間に座る。これですべてが丸く収まるなら
それでいいじゃない!喧嘩両成敗よ!!」
「はぁ・・・・・・・」
それでいいのか?とカンダとラビの二人に視線を送ると。
「ま、仕方が無いか」
「・・・・・・それで妥協してやる」
「だって、よかったね!アレン君v」
「ははははは・・・・・・・・」
お花見をする前からこの調子では先が思いやられる。
アレンの受難はまだ始まったばかりだ。
※言い訳
最初に、これはムラクモ タガネさんのみお持ち帰り可能です。
すみません、ちっともカップリングが成り立っていませんね・・・・今はこれで精一杯デ
ス。(汗)
お花見ネタということだったのに、お花見一歩手前位の話になってるしさ・・・・・・。
ホント申し訳ありませんでした!!
2005/4/28